歯周病(歯槽膿漏)を早期発見するにはセルフチェックが欠かせない
2019/07/09歯周病(歯槽膿漏)は、サイレント・ディジーズ(Silent Disease、静かなる病気)と呼ばれています。歯周病は歯の脱落を招く「恐い病気」ですが、最初は小さな腫れから始まります。したがって、初期段階で治療に取りかかることが難しい病気なのです。
歯周病は静かに近寄ってきて、大きなダメージを患者さんに与えます。
歯周病の予防には初期症状をしっかりとらえ、歯周病が疑われたらすぐに歯科医にかかることが必要になります。
そのためにはセルフチェック(自己判定)が欠かせません。
歯周病の原因
歯周病のセルフチェックを紹介する前に、この病気の原因をみておきましょう。
歯周病は口のなかに存在する歯周病菌という細菌が引き起こします。歯みがきが不十分だと歯周病菌は砂糖などを材料にしてプラーク(歯垢)をつくり、それが歯に付着します。プラーク1ミリグラムに歯周病菌が10億個存在するといわれています。
プラークは歯ブラシで除去できますが、放置したり歯みがきが不十分だったりすると歯石へと進んでしまいます。
歯石はその名のとおり「石のように硬い」ので、歯科クリニックの特殊な器具を使わないと除去できません。
歯周病の症状
続いて歯周病の症状を解説します。
プラークや歯石のような歯周病菌の「巣」ができてしまうと、歯肉が炎症を起こします。歯周病の初期に歯肉が腫れるのは炎症が起きているからです。
できれば歯肉炎の段階で治療に取りかかっていただきたいのですが、これを放置すると歯槽骨(しそうこつ)や歯根膜にまで炎症が広がります。
歯肉に歯ブラシを当てただけで血が出てきたり、指で歯を押しただけでグラついたりします。
そして歯周病の最大最悪の症状は、歯が抜け落ちることです。歯周病はかつて歯槽膿漏と呼ばれていましたが、最近は歯周病と呼ばれることのほうが多くなっています。
歯周病のセルフチェック項目
歯周病のセルフチェックは、以下の項目に該当しないかどうか確認します。
・歯肉が腫れている、歯肉が赤い、歯肉がやせてきた
・口臭が気になる
・歯と歯の間が開いてきた
・歯みがきをすると出血する
・歯と歯の間の歯肉がぶよぶよしている
・歯が浮いたような気がする
・指で触ると歯がグラつく
・歯肉からうみが出る
このうち3個以上該当すると、初期または中等程度の歯周病が進行している恐れがあります。早めに歯科医院にかかりましょう。
1~2個該当する方も、歯周病の可能性を否定できないので、歯みがきをより入念に行いつつ、やはり歯科医院にかかりましょう。
歯周病を予防するには正しい方法で歯みがきをして、生活習慣を見直すことです。また、痛みがなくても半年に一度は歯科医にかかり、口のなかの状態を調べてもらったほうがいいでしょう。