歯石は歯周病の原因!自分でできる効果的な歯石予防とは?
2018/10/03歯磨きでは取れない!歯石の正体と生成の仕組み
歯と歯ぐきの境目あたりを指で触れてみると、粘り気のあるものがついていませんか。これは歯垢(プラーク)で、まさにばい菌の塊です。歯垢にはばい菌だけではなく、菌が作り出した粘着物質も混ざっているため、うがいをしたくらいでは落とすことができません。また、歯と歯ぐきの境目や歯間には歯ブラシが届きにくいため、磨き残しが起こりがちになります。歯磨きで取り除くことができなかった歯垢は、やがて唾液中に含まれているミネラル分と反応して石灰化します。
こうしてできあがったのが歯石で、文字通り歯垢が石のように固まっているため、歯ブラシでは取り除くことができなくなるのです。
ブラッシングは念入りに!歯石を作らない歯磨きのコツ
歯垢は48時間ほどで石灰化するため、歯石になる前の段階で取り除いてしまうことが歯周病予防の基本と言えます。歯垢が溜まりやすいのは歯と歯ぐきの境目、そして、歯と歯の間です。ブラッシングの際には鏡で確認しながら、一本ずつ丁寧に磨くことが重要です。歯ブラシはヘッドが小さ目のタイプを選び、鉛筆を持つときのように握ります。歯と歯ぐきの境目に毛先が触れているかを確かめながら、歯ブラシを強く押し当てることなく、優しく小刻みに前後にスライドさせるように動かすのが効果的です。また、歯と歯の間の歯垢除去には、デンタルフロスや歯間ブラシを使います。奥歯の後ろ側部分を磨くためには、ワンタクトブラシが便利でしょう。
歯垢は唾液の分泌が減少する睡眠中に増えやすい傾向があるため、夜寝る前と朝に念入りなブラッシングをすると、効率的なデンタルケアにつながります。
それでも歯石ができてしまったら?一日も早く除去しよう
毎日丁寧に歯を磨いたとしても、歯垢を100%除去することは至難の業でしょう。すると、どうしても歯石ができてしまうことになるため、歯科医院で定期的にPMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)を受けるのが賢明です。PMTCでは、専門家が特殊な機器を使って歯石を取り除いてくれ、自宅で行う日常の歯磨きでは落としきれない汚れもきれいに研磨してもらえるので、歯周病やむし歯が起こりにくい口内環境が整います。
歯周病を予防して全身の健康促進へ!
ばい菌の塊である歯垢が唾液中のミネラル分と反応して石灰化して歯石になってしまうと、もはやホームケアでは除去できなくなってしまいます。歯石をそのまま放置するとさらに歯垢がたまりやすくなり、歯周病やむし歯の発生リスクが高くなります。歯周病は心血管疾患をはじめとする全身疾患の発症や進行などにも関係しているとされているので、 毎日の丁寧な歯磨きと歯科医院で受けるPMTCを併用して予防を心がけることが、全身の健康促進にもつながるといえるでしょう。