適切なセルフケアで歯周病を予防しよう
2019/05/20セルフケアは「こんなに大事」
歯周病を引き起こすのは、口の中の特殊な細菌です。その細菌は、歯周病菌や細菌性プラークと呼ばれています。プラークは日本語で歯垢(しこう)といい、歯の表面に付着する白色または黄色の物質です。
歯ブラシを使ったブラッシングが不十分だと、歯周病菌が砂糖などを材料にしてネバネバしたプラークをつくり出します。プラーク1ミリグラムに約10億個の歯周病菌が潜んでいると考えられています。
したがって、歯周病のセルフケアで最も重要なのは、ブラッシングです。
このように指摘すると「歯ブラシを使ったブラッシングは毎食後しっかりやっている」と思う方もいるのではないでしょうか。
しかし歯科医にしばらくかかっていない人は、ブラッシングが自己流になっていてしっかり磨けていない可能性があります。そこでこの機会に、正しい歯のみがき方を押さえておいてください。
歯のみがき方「鉛筆を持つように」
歯ブラシは鉛筆を持つように握りましょう。このほうが歯ブラシの毛先を細かく動かすことができます。
歯は1本ずつ磨くことをイメージしてください。歯を「列」とイメージしてしまうと、歯ブラシを大きく動かしてしまい、歯と歯の間や歯と歯肉の間にみがき残しが起きてしまうからです。
歯周病予防に有効とされるブラッシングはスクラッビング法とバス法です。
スクラッビング法は、歯の外側(頬側)と歯の内側(舌側)でみがき方をわけます。歯の外側には歯ブラシの毛を直角に当て、歯の内側は斜め上(45度)から当てます。
バス法は歯ブラシの毛先を歯と歯肉の間に、斜め上(45度)から当てます。
いずれも歯ブラシは力を入れず小刻みに動かします。両方織り交ぜてみがいていきましょう。
そして歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスも使うと、歯周病の予防効果はさらに高まります。
生活習慣の改善にも取りかかろう
最近注目されている歯周病のセルフケアは、生活習慣の改善です。それというのも、歯周病菌が糖尿病や心臓の病気と深くかかわっていることがわかってきたからです。ご存知のとおり、糖尿病も心臓の病気も生活習慣の悪化から発症することが多いのです。
肥満気味の方は、ダイエットに努めましょう。そのためには、食生活の改善と適度な運動が欠かせないでしょう。
血糖値が高い方は、糖尿病の治療に取り組むことをおすすめします。
またタバコは歯周病のリスクを高めることがわかっているので、禁煙に取り組んでください。
つまり全身の健康維持を目指すことこそ、歯周病予防のセルフケアになります。